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犬のいる時間、伊勢英子『グレイがまっているから』と谷口ジロー『犬を飼う』

犬のいる時間、伊勢英子『グレイがまっているから』と谷口ジロー『犬を飼う』

先週『グレイがまっているから』(伊勢英子 著)を読み終えました。

建築家と絵描きと娘ふたりが暮らす一軒家にもらわれてきた、シベリアンハスキーの子犬・グレイ……。

グレイが来たことによって一変した家族の生活を、数々のスケッチと共に綴るエッセイ風の1冊だ。

まぁ、散歩やしつけのハナシも多いんだけど、そのなかで優しく静かに流れていく季節も感じてしまって、とってもおだやかな気分になっちゃったりして、共感できるエピソードもたくさん。

 

例えば、グレイを獣医さんに任せて旅行に出かけたとき、その後ろ髪引かれる思い、仕事で旅に出て「ここにグレイがいたらな」と思ってしまい、グレイが待っているから……とつい家路に向かうあたり妙にじーんときてしまう。

 

そのなか、読んでいて、どこか正体不明の哀しい気持ちも見え隠れした。
その正体が分かったのは最後の書き下ろしの「四年後…」。

なんでもグレイはその4年後にガンで亡くなったそうだ。

 

その闘病生活は続編の『気分はおすわりの日』『グレイのしっぽ』にて描かれているそうだけど、これから読むつもり。

まぁ、ここまで読んできたからには、グレイの生きた証みたいなものを自分も〝すべて〟を感じたいと思う。

 

そして、ここで思い出すのが、谷口ジローの傑作漫画『犬を飼う』だ。

ある夫婦のもとで飼われていた老犬・タムの最後を描いたちょー有名タイトル。

★ 1992年、第37回小学館漫画賞審査員特別賞を受賞。

  

いやはや、漫画でこれほどボロ泣きしたのは、かつてないだろうな。
なにしろ本屋で買って、帰りの電車で立ち読みして涙が止まらなかった。

電車の立ち読みですよ!

 

その後は、たまに本箱から取り出して読んで、やはり間違いなく、くしゃくしゃになるぐらい泣けるんだけど、谷口ジローの「あとがき」だけ読んでも泣ける。

 

といって、物語にお涙ちょうだい的なストーリー展開はどこにもない。
ただ淡々と日々衰えていく犬の姿を綴っているだけ。

 

というか、ここで描かれているのは、生きるってことだよな、生命そのものチカラだから、誰の琴線にも響くのだろう。

 

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